O'bon Paris Blog

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2021年8月9日からフランス観光&生活に変化が!パスサニテール(衛生パス)導入拡大!

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Bonjour !

今日は、フランスに旅行に来る方、フランスに住んでいる方両方に大きな影響を与える、パスサニテールについてです⚠

フランスでは7月21日より、映画館や美術館などの文化施設でのパスサニテール(衛生パス)提示が義務付けられていますが、8月9日からはカフェ、レストラン、大型商業施設、病院、高齢者施設、医療社会施設や、長距離移動の航空機、列車、バスまで拡大されます。

まだまだフランス国内でも利用者側、管理する側の双方で混乱が続いていますが、今の時点でわかっていること、そして今すぐ生活に関わることにフォーカスしてまとめてみました。

情報が足りない部分もあるかと思いますが、もし少しでも困っている方の役に立てば幸いです。

 

 


パスサニテールとは?

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パスサニテールとは、日本語では衛生パス、もしくは衛生パスポートとも呼ばれ、フランス国内の様々な施設への入場時に必要な証明書です。証明書には3種類あり、ワクチン接種完了証明書、48時間以内または72時間以内(検査結果の有効期限が72時間以内に変更されました)の検査結果の陰性証明書、もしくは6ヶ月以内の検査陽性証明書があります*。*各種証明書の詳しい条件や取得方法は下記「パスサニテールの取得方法」を参照。

上記の3種類の証明書にはQRコードが記載されており、これをスキャンすることで飲食店や美術館などに入場することが許可されます。

パスサニテールは、現在は17歳以上のすべての人が対象です。2021年9月30日からは12−17歳も対象となり、パスサニテールが必要となります。

このパスサニテールが、8月9日より私達が日常でよく利用する場所に適用され始めます。それでは、どこに行く際に必要なのか、どのように証明書を手に入れられるのか、詳しく見ていきましょう。

 


パスサニテールが必要な場所

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パスサニテールが必要な場所は、主に、飲食店、ショッピングセンター、文化施設、宗教施設、イベント会場、病院、長距離移動の交通機関等です。どれもフランス旅行&生活でよく行く場所なので、詳しく見ていきましょう。

 

7月21日から :
公聴会場、会議場、上映会場、集会場、テント、コンサート会場、劇場、映画館、フェスティバル(着席および立席)、閉鎖空間または屋根付き会場でのスポーツイベント、屋外施設、遊技場、カジノ、宗教施設、見本市、展示会、美術館と企画展会場、図書館(大学や専門的な図書館を除く)、高等教育機関で開催される文化的集会、30以上のスタンドやアトラクションがある興行会場、公共の場で開催される文化・スポーツ・遊戯・お祝い等のイベント、宿泊施設付きの船やクルーズ船、ディスコ、ダンスクラブ、バー

8月9日から :
カフェ、レストラン、ショッピングセンター、病院、高齢者施設、長距離移動の交通機関(飛行機、TGV等の列車、バス)

 


パスサニテールの取得方法

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パスサニテールは、3種類の衛生上の安全性を証明する書類のいずれかを、アプリ「Tous Anti Covid」上にアップロードして提示する形、もしくはその3種類の証明書をそのままpdfか紙で提示する形があります。

このアプリ、もしくは3種類の証明書にはQRコードが記載され、そのQRコードを各施設や店舗に入るときにスキャンされます。
3種類の証明書の取得方法&条件について早速見ていきましょう。

 

❶ワクチン接種完了から規定の期間が経っている

ワクチン接種による証明は、フランスで認められているワクチンを規定の回数完了し、その後一定の期間が経っていることが必要条件です。規定の期間はワクチンの種類、もしくは感染歴によって異なります。

フランスが認定したワクチンとその接種回数、規定の期間は以下のとおりです : 

1-ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの2回目の接種から7日後*
2-ジョンソンアンドジョンソンの1回目の接種から4週間後
3-既にコロナに感染したことがある人は、1回目のワクチンから7日後

*フランスのパスサニテールは2回目の接種の7日後になりましたが、ヨーロッパのパスはいまだ2回目の接種から14日後のままです。

証明書の取得方法 : フランスでワクチン接種をした方は、Assurance Maladieのウェブサイトからワクチン接種証明をダウンロードできます。

 

PCRテストやAntigéniqueテストの陰性証明(48時間もしくは72時間以内に実施)*

*(検査結果の有効期限が、アクティビティへの利用でも72時間以内に変更されました)

フランス国内でのアクティビティへは48時間以内実施のもの、旅行へは72時間以内実施のものが必要です。

PCR検査はラボ(Laboratoire biologique)で、Antigénique(アンチジェニック)テストは薬局で受けられます。フランス在住者は秋まではテストを無料で受けられますが、海外からの観光客は有料です。また、自己検査キットも追加で陰性証明として利用できるようになりました。ただし、自己検査キットによる陰性証明には医療専門家による監督が必要です。

証明書の取得方法 : テスト結果が出たら、メールまたはSMSで「SI-DEP」というサイトのリンクが送られてきて、このサイトからQRコード付きの証明書を保存できます。

 

❸11日前から6ヶ月前までに実施したPCRテストまたはAntigéniqueテストの陽性証明

11日前から6ヶ月前までの期間に、コロナウイルスに感染した方は、そのときに受けたPCRテスト又はAntigéniqueテストの陽性証明書も有効です。

証明書の取得方法 : 陰性結果のサイト同じく、テスト結果が出たら、メールまたはSMSでSI-DEPのリンクが送られてきて、このサイトからQRコード付きの証明書を保存できます。

 

これら3つの証明書のいずれかを、アプリTous Anti Covidに保存するか、証明書のpdfをスマートフォンに保存する、もしくは各種証明書を紙で持ち歩くことにより、パスサニテールとして機能します。

 


フランス旅行するには

フランス本土での観光時

フランスでの観光で飲食店や美術館、教会などに行く際には、前述のパスサニテールが必要です。
前述の通り、ワクチン接種が完了した証明、もしくは48時間72時間以内に実施したPCRかAntigénique(アンチジェニック)テストの陰性証明等が必要になります。
ワクチン接種がまだの方は、フランス滞在中に72時間毎に検査を行わなくてはならないのは、かなり大きな負担です。

 

参考までに、日本ーフランス間の移動の際に必要な証明書や手続き等がまとめられているウェブサイトを添付しておきます。
これから刻々と状況も手続きも変わっていくかと思いますので、最新の情報をチェックしましょう!

フランスに入国する際
https://www.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/oshukarafrancenyukoku202101.html

日本に帰国する際
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

 

おわりに

前述の通り、フランスでは今まで在住者はCarte Vital(社会保険証)の提示で検査が無料でしたが、それもこの秋から、医師による処方箋なしで検査する場合は有料になります。
飛行機や電車、宿泊施設へのパスサニテール提示はわかるけれど、カフェ、レストラン、商業施設まで範囲を広げられると、ワクチン未接種者の方にとっては日常生活に支障が出てきます。

加えて、医療従事者や要介護高齢者施設の従業員のワクチン接種も義務化されました。よって、9月15日までにはワクチン接種が完了していなければいけないとのこと。
医療現場を含め、パスサニテール提示が義務付けられた施設で働く人々の中には、退職を余儀なくされている人も多くいます。

よって、今回のパスサニテールの範囲拡大は、実質のワクチン義務化であり、これに対する反発のデモもフランス全土で開催されています。 

まだまだフランス国内でも、パスサニテールの使用については利用者も施設の担当者側でも混乱があり、バタバタしている状況。フランスに旅行する予定、もしくはフランス旅行中の方がもしいらっしゃったら、どうかお気をつけくださいね!